Howto育て方

Firstはじめに

当社のポット苗木は畑で育てたものを掘り上げポットに入れた状態です。
ポット内で新しい根は張っていませんので定植される時は土が崩れる場合があります。
その際はポット内の土は畑の土と混ぜて使用してください。
土が崩れても問題はありませんが、根が長く乾く状態になるのだけは避けてください。

Planting畑に植え付ける場合

苗木は非常にデリケートなものです。
根を直射日光や風に長く当てることにより、枯死や生育不良の原因になります。

植付前は根を数時間水に付け水分を充分補給させます。
あまり長い時間は根腐れの原因になりますので、放置はしないようにしてください。
ポット苗木の場合は必要ありません。

苗木の生育を促すために穴は大きめに開け、完熟堆肥や肥料を土とよく混ぜます。
比較的成分の薄い肥料で、緩効性のものをお勧めします。
あまり濃い濃度の肥料ですと根に悪影響が出る可能性があります。
濃い濃度の肥料や不完熟堆肥を使用する場合は植付1ヶ月前に準備すると良いでしょう。

接木部は必ず土から出た状態にし、あまり長い根があれば切って整えてください。
接木部より上を土に埋めると、土壌の病害虫に弱くなったり、自根(接ぎ木上部から根がでること)により樹勢が強くなり結実が遅くなったりします。

植付前に土に水はやらずに、植付後に土を軽く踏み、水をしっかりかけてください。
水をかけてから土を踏むと、細根が伸びるべき細かな空気穴をつぶしてしまう可能性があるので避けてください。

植付方法は土壌の状態によっても違ってきますので、田んぼのような粘土室の土の場合は排水を良くするために、高畝にして籾殻などを混ぜると良いでしょう。
反対に砂地や石の多い土壌、傾斜地など保水の悪い土壌では、堆肥を十分に置き、保水力を高めてください。
いちじくなど水分を欲しがる品種は特にしっかり置きましょう。

接木上部は将来的な形状をイメージしてカットしてください。
接木上部が長くなればなるほど木にとってストレスが増えますので、30cm~50cmが目安かと思います。
生育した時に収穫する際、手で届く高さでの収穫ができます。
当社では行っていませんが、カットした切り跡にはトップジンペーストを塗るとなお良いでしょう。

風が強い場所に植える場合は支柱をして風上に防風になるような状況を作ると良いでしょう。

肥料は植付後、新芽が出てから行うと良いでしょう。
細根が出始めて吸収が良くなっていますが、多量の施肥や強い肥料は控えてください。
生育に問題が起こる可能性があります。

植付してから1か月程度はこまめな水やり(3日~1週間程度)をしてください。
根の吸水力が落ちていますので、葉や幹にも水をかけると蒸散が抑えられて効果的です。

苗植付初年度は、霜や雪が降る地域では防寒をお勧めします。
ワラなどを幹に巻き、根元に敷きワラをすると効果的です。

Potting鉢に植え付ける場合

鉢植えの場合は、初年度は24cm程度の鉢に植え付けると良いでしょう。
保水率を高めるため、深めの鉢をお勧めします。
生育度合いにより2年に1回程度一回り大きな鉢に植替えて、これ以上大きくしたくない場合は断根や剪定で木のサイズを小さくしてください。
その際1年程度結実しないことはあります。

鉢の下部には排水の良い土を、上部には保水性の高い有機質の多い土を入れると排水、保水、保肥力が高まります。

他の注意点は畑に植え付ける場合と同じです。

Notes注意事項

ここまでの記述は当社が長年かけて培ってきた植付方法です。
特に専門農家の方においては独自のやり方で成功率を上げておられる方もたくさんいらっしゃいます。
地域ごと気候ごとに方法は数多ありますので、1つの方法として参考にしてください。

植付は人間でいう手術のようなものです。
例えば指を切断した場合に濃い濃度の塩分を切断面に付ければ壊死してしまうように、濃い濃度の肥料を根に直接大量に置けば痛みの原因になります。
切断面を乾かせば指がくっつかないように根を乾かせば成功率は下がります。
やってはいけないことを理解すれば、良い果物との出会いがあるかと思います。